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2. Before the Baby was Born <二人の夢>   

どういう縁か、アメリカ人と結婚することになった私…。人生とは面白いものだ。明日何が起こるか誰にもわからない。運命だったとしか言いようがないことが結構起こったりする。

結婚してしばらくは共稼ぎをし、将来のためにできる限りお金を貯めよう!と夫と私はココロに決めていた。ところが、人生とは計画通りには行かぬものでもあるらしい…。 その年の暮れには、早々に妊娠していることが判明し、二人とも大慌てだった。でも、案外と気持ちの切り替えは早い私たちである。以後、二人で子育てについての夢を日々語り合うことになる。

前章でも説明したが、私たちは英語と日本語の両方を我が子が同じレベルで使いこなせるようにしてやりたいと考えていた。そうするために夫が私に要望したことは、ただひとつ。『子供とは英語で会話をして欲しい』ということだった。

『そんな殺生なぁ~…』その当時私は、かつて中学の英語教師をしたこともありながら英語が満足に話せないことにかなりのコンプレックスを抱えていて(あぁ、カナシイカナ)、 『息子に英語を教える資格はないよなぁ…もっと勉強しとけばよかったぁ…』とため息の日々だったのだ。『私の母国語は日本語であり、あなたもよーく知っているように 文法事項ばかりで頭がいっぱいなのよ。おまけに英語の子守唄も知らなけりゃ、あやす言葉も知らないこの私がどうやって赤ん坊と英語で一日過ごせるというのよ~(涙)。』 と、切々と訴えてみたけれど、敵の決心は石のように堅く、びくともしなかった。

『ボクには仕事がある。アナタがベビーと英語を話さなくて、誰がベビーに英語を伝えるの?』

結局、この戦いは長男の誕生後も約1年間に渡って続くことになる。1年後には、私は『アナタが英語が完璧に話せるかどうかということよりも、毎日英語で話す習慣を息子に伝えることのほうが大事』という夫の主張に根負けし、 白旗を揚げることになった。こうして、家族間ではほぼ英語のみで会話をする生活が始まったのだった。子守唄のCDを買い、マザーグースなどの絵本を買い込んで、お昼寝しながらのんびりゆったり読んで聴いて…を繰り返すことになる。幸いにも、私は学生の頃から、英語の絵本が好きで、 少しずつ集めたものが手元にあった。長い間本棚の片隅でほこりかぶっていたその少しばかりのコレクションが、陽の目を見ることになったことは、 私にとってももうれしい出来事だったことには間違いない。

簡単に『二つの国の言葉』と言っても、私にとってその意味は計り知れないほど深い。 それは、言葉の習得が単なる文法や語彙の学習だけに終わらないということに私自身が少しずつ気がついてきたからだ。そして、言葉の習得に付随して得られるもっともっと大きなかけがえのない宝物を息子に伝えることができたことを、親として ちょっとだけ誇りに思っている。その宝物については、またおいおい記していくつもりだ。

Point : 英語が完璧に話せなくても英語を教えることはできるのです♪

次は… 3. With Family in Japan <日本人の祖父母たち>
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